診療内容
形成外科
毛細血管拡張性肉芽腫
小さな傷や妊娠などを契機に、手指、ピアスホールにできた傷などに好発する、隆起性の後天性の血管腫です。表面に特有の光沢があり、やわらかく、わずかな刺激で出血します。
大きさはおおむね1cm以内ですが、2~3cmほどになるケースもあります。
妊娠中に口の中に生じることもありますが、この場合は分娩後に自然消退することもあります。
無色素性悪性黒色腫との鑑別が必要なときは、ダーモスコピー検査を実施します。
液体窒素による凍結療法、電気焼灼、炭酸ガスレーザー照射、外科的切除などを行います。
液体窒素による凍結療法はもっとも一般的に行われる治療方法です。腫瘍が小さい場合であれば、安価・手軽であり、非常に優れた方法です。
しかしながら、腫瘍のサイズが大きい場合や出血で困っている場合などには、液体窒素療法は速効性のないこと、何回か繰り返して治療を行う必要があることから不適当な治療となります。
当院では、ellman社製のラジオ波メスを用いて、局所麻酔下に腫瘍の基部から切除する方法が選択可能です。
本法の優れた点は、①手術当日から、出血しなくなること。②治療が1回で終了すること(経過観察のための通院は数回程度必要です)、③液体窒素より痛そうに思えるが、麻酔を使用するのでそれほど痛くないこと、④再発が少ないこと です。
他院で液体窒素にて治療を行ったが、なかなか消えずに困っている場合はご相談ください。
なお、病理検査が必要と考えられる場合は、凍結療法や炭酸ガスレーザー照射は選択せず、
電気焼灼、外科的切除を行います。